米軍所沢通信基地の今

所沢市民ならずとも、ここに広大な米軍の通信基地があることはご存じでしょう。
東日本大震災の後、節電のため計画的停電が実行された時も、この周辺は停電しませんでした。近所では「通信基地があるからでは」と推察する向きがあります。

長年所沢市は、この広い敷地の返還を求めて米軍と交渉を続けてきました。
所沢市のHPによると、所沢通信基地は現在まで7割が返還されているとあります。粘り強く交渉した結果が今の航空記念公園なのですね。未だ返還されていない残りの敷地も現在交渉中です。

下の地図は米軍所沢通信基地ですが、赤枠で囲った部分が基地で、住宅街の中にあります。青い線は昭和51年からずっと返還を要求しつづけてきた「東西連絡道路用地」ですが、昨年2月に日米合同委員会で返還が合意されました。

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恥ずかしい話ですが、所沢市民でありながら返還合意のことは知りませんでした。通信基地について調べていて初めて知ったのですが、皆さんはご存知でしたか?

合意に達したのが昨年の2月ですから、既に1年9ヶ月が経っています。でも、実際現場に行ってみると特に工事もしていませんし、何かが始まっている様子はありません。
藤本市長の挨拶(PDF)の中で、実用まで時間がかかる旨のお話がありましたが、敷地内の施設を移転するのに様々な手続きが必要なのかもしれませんね。
道路の両側の敷地は立ち入り禁止地区ですから、有刺鉄線などで立ち入れない様にするのでしょうか。

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”Tokorozawa Transmitter Site 374cs”の看板と有刺鉄線の金網が物々しく、軍の施設は戦争や紛争を想起させ、住宅街の中にあるには相応しくない施設です。
時折立派な体躯の日本人男性が出入りしているのを見かけますが、交渉に関わっている防衛省の方でしょうか。

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この道路の向こう側に小さく見えるのが、所沢パークタウンです。
この道が開通すればかなり便利になります。向こう側には高校もあり、通学時間も短縮されるはずです。
まさしく国境とは言え、出来るならば境界線は有刺鉄線ではなく、気持ちの良い空間にして欲しいものですね。

以下Wikipediaより「所沢通信基地」の一部を抜粋

所沢通信基地(ところざわつうしんきち Tokorozawa Transmitter Site)とは、埼玉県所沢市にある米第5空軍374空輸航空団所属に所属する在日米軍通信基地。施設番号はFAC 3049。日米安全保障条約上の正式名称は「所沢通信施設」(米軍側は主に所沢トランスミッターサイトの呼称を用いる)。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%80%E6%B2%A2%E9%80%9A%E4%BF%A1%E5%9F%BA%E5%9C%B0

自然豊かな所沢

通信基地周辺には広い道路がありますが、30年前は街路樹はほんの若木で、こんなにも生い茂るとは思いませんでした。今では季節を彩る立派な街路樹に育ちました。

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この道を通信基地の向こうまで続けて欲しいと思います。
この道は歩道も広く、ウォーキングやランニングをする市民も多く、散歩にはぴったりの気持ちの良い道なのです。ちょうど今は紅葉の季節で、銀杏の木が黄色く色づいてきました。

そんな散歩の途中、リハビリセンターの土手に生い茂る雑草に混じって野老(ところ)を発見しました。
自然に生えて成長したものでしょう。やはり所澤には野老が自生しているのですね。

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野老については下記サイト「所沢の名前の由来」をご参照ください。
https://toko.bon.co.jp/learn/151030tokoro

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もし通信基地全域が返還されたなら、航空記念公園同様、市民の憩いの場所になるのでしょうか。所沢は緑の多い街として、これからも豊かな自然を残していけたら良いですね。

【参考】
所沢市ホームページより「米軍所沢通信基地の東西連絡道路用地の返還合意について」
https://www.city.tokorozawa.saitama.jp/kurashi/dourokoutsuu/begunkichi/henkangoui.html

この記事を書いた人は...

ところまるこ です。

年齢はヒミツですが、所沢には38年間住んでいます。 みるみる変わっていく街並みと、変わらないものとを見てきました。 趣味は、日本で一位二位を争う観光地として人気の無い埼玉と群馬を調べる事です。 平日はフルタイムで会社勤めをしているので所沢を離れますが、土日は所沢にひきこもっています。